【ゆうゆうLife】老いと生きる 女優・三原じゅん子さん(45)(産経新聞)

 ■通所介護施設立ち上げ 介護する母、自らの病が契機

 女優の三原じゅん子さんは3月、東京都三鷹市に通所介護施設「だんらんの家 三鷹」をオープンさせた。「介護事業所を運営するのが夢だった」と三原さん。その思いを強くしたのは父親の介護をした母の姿と自身の闘病体験だった。(文 佐久間修志)

 入所者は現在(3月中旬)は6人、スタッフは8人です。以前から車いすバスケットとか介助犬のイベントに参加していましたけど、一番興味があったのは介護でした。戦後の昭和を闘ってきた人が寂しく過ごしているのって何かおかしいなって。行政に違和感を覚えていたのかな。

 自分のおじいさんやおばあさんに接することはなかったんです。父方の両親は生まれたときにはいなくて、母方は疎遠になっていました。でも母がおばあちゃん子で、いつも話を聞いていたんです。昔ながらのいろんなことを教えてくれて、それですごく大切な存在なんだなって。

 実際に介護の大変さを見たのは15年前、脳梗塞(こうそく)で父が倒れたときでした。片まひや言語障害もあって大変でした。治りかけたら、もう1回(脳梗塞が)来て。母が介護しましたが、薬の副作用で痴呆(ちほう)のようになり、それが治まると、今度は引きこもりや鬱(うつ)が始まって。

 もともと病弱で、働いているのを見たことがないような父でしたけど、亭主関白的なところがあって。母が気の毒だと思っていました。母は50歳でしたけど、まったく自分の時間を持てない。「どこにも行けないよ〜」って言っていました。

                □ ■ □

 自分の子宮頸(けい)がんが発覚したのは一昨年の人間ドックでした。バンドメンバーの親戚(しんせき)が病院の関係者で、「一緒に受けよう」って言って、受けたらビンゴでした。日本人の2人に1人はがんになると言われていますけど、宣告されると、「がんイコール死」と思ってしまいますね。

 手術は成功しましたが、ベッドの上でいろんなことを考えました。早いうちに再発・転移って起きてくるんだろうなとか。そう思ったとき、今までの三原じゅん子は死んだような気持ちになったのかな。もう自分のために生きるのは違うなって、うん。

 今まではスケジュールが空いたら、無理やり仕事を入れるタイプ。働いていない人が、すごく悪いことをしているように思える人だった。でも、健康がどんなに大切なのかと考えてから、周りの人の健康が気になりだして。自分の持っているものを全部なげうってでも介護施設を作ろうって思ったんです。

                □ ■ □

 退院後、介護事業をしている人からいろんなお話をうかがい、去年の春ごろに動き出しました。事務所のスタッフには反対されましたね。実際、笑っちゃうくらい大変でしたから。

 去年の秋ごろに物件を見つけて契約、リフォーム。機材を集めて、スタッフを募集して、面接して雇用契約して…。全部クリアになってから事業所の申請。本当は2月にオープンしたかったんですけど、書類を全部集めるのに年をまたいでしまって。開所の日はホッとしたのが一番ですね。責任がすごく重くのしかかってましたから。

 介護はスタッフに任せています。私は管理者と話をしたり、「みなさんご苦労さま」と声をかける程度。「三原じゅん子」が施設の売りではないので。施設でなんとなくお茶を飲んだりしてるんですよ。声? かけられません。おばあちゃんたちは(三原じゅん子を)分かっていないんでしょうね。「何この人、たまにくるけど、派手めの人ね」って。

 今はお年寄りの姿を見ながら、夢が実現したという感覚よりは夢の途中。とりあえず一歩踏み出したという気持ちはあるんですけど、思ったより大変ですから。入居者さんはなかなか集まらないし、職員さんの報酬は少ない。でも、やらないでいたんじゃ何にもならないですしね。

                   ◇

【プロフィル】三原じゅん子

 みはら・じゅんこ 昭和39年、東京都生まれ。54年にTBS「3年B組金八先生」で人気を呼び、その後も女優、歌手として活躍の場を広げる。出演作はNHK連続テレビ小説「すずらん」、大河ドラマ「功名が辻」ほか多数。カーレーサーとして活動した時期もあり、現在もバンド活動を行っている。

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